異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~

「マリーナ、今日そなたを呼び出したのはほかでもない。そなたも、我が国が現在、国をあげて肥満対策に尽力しているのを知っておろう?」
 ……え、なんかコレ、嫌な流れじゃない?
 お父さまが切り出したのは、これまた嫌な予感がムンムンと漂う言葉。むしろ、嫌な予感しかしない。
「へ、へぇ? そうだったんだっけ?」
 なんとかこの場だけでも乗りきれないかと、とりあえずすっとぼける。
「マリーナ、わしもこれまではなぁなぁのままきてしまったが、今回ばかりは言い逃れできない状況 になってしまった」
 お父さまが、重い口調で続ける。
 その先を聞きたくなんかないのに、無情にも私には逃げ場がない。いまだ背後は、アイーダによって塞がれていた。
「議会は肥満対策に本腰を入れ、罰則付きの法案可決に動きだした。マリーナ、肥満の王族として追放の憂き目にあいたくなければ、そなたはこれから減量に励むのだ」
「や、やだぁああっ! ねぇお父さま、追放なんてそんな、オーバーだよ? もしその法案の可決に私が邪魔なら、ほとぼりが冷めるまでしばらくの間、お母さまの実家に行ってるよ! ね? だから減量なんて、やめにしよう?」


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