異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~

「……夕食前、姫様のお迎えにライ・ザック殿の居室に行ったのですが、姫様のお姿はありませんでした。先に騎士食堂に行ったのかと思い、私も騎士食堂に向かいましたが、姫様はいませんでした。すぐに顔見知りの騎士の方々をはじめ、ライ・ザック殿の側近の方々に事情を説明し、手分けして姫様を探し始めました。現在も、手を尽くして探していて……けれど、いまだ姫様の行方が知れません!」
 マリーナが行方知れずだと……!?
 アイーダから聞かされた瞬間、目の前が真っ暗に染まる。
 夕食前からならば、俺の側近の精鋭たちがすでに一時間以上も探している計算だった。プール等の運動施設を多く抱える騎士団施設は、たしかに広大ではあるが……。
「アイーダ、捜索の手は騎士団施設内だけ——」
 カッ、カッ、カッ――!
 ガタッ、ガタタタンッ——!
 なんだ!?
 俺がさらなる情報を求めようとアイーダに質問を重ねていれば、門のすぐ近くで蹄鉄と車輪が立てる特徴的な音が響く。その後に続いたのは、大型馬車を急停車させたときに立つ音だった。


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