異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~


 しかし、マリーナの状態というのはどういうことだ!? もしやマリーナに、何事かあったのだろうか!?
 俺は息を呑んで、侍従長の続く言葉を待った。
 王宮侍従はここでゴクリとひとつ喉を鳴らすと、決意のこもる表情で口を開いた。
「王宮にて、マリーナ王女が現在、厨房を占拠して籠城中! マリーナ王女はかなりの興奮状態にあられます。ここからは王妃様のお言葉を、そのままお伝えいたします。『おのれライ・ザック、マリーナになにをした!? かわいいマリーナになにかあれば、私がそなたをいたぶり尽くして、その息の根を止めてやる! 大至急王宮に来い!』とのことでございます」
 ……マリーナが、厨房に籠城!? 興奮状態!?
 即座には、理解ができなかった。うしろにいるアイーダが、息を呑む気配も感じていた。
 とにかくもたらされたマリーナの状況は、俺が知る昨日までのマリーナとは、あまりにもかけ離れたものだった。
「すぐに王宮に向かう!!」
 侍従長の前から騎士団施設へと踵を返した。


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