異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~


 聞かされた瞬間、私はお父さまの腕にスリスリとすがり、上目遣いに言い募る。
 いつもならこれを発動すれば、お父さまは百発百中で納得をしてくれる。
 正直、「追放」という物騒な台詞にはギョッとした。だけど私にとっては、続く「減量に励め」という言葉の方がよほどに恐ろしい。
 だって事実、法案なんていったん通っちゃえば、あとはどうとでもなるものでしょう? 前世で連日ワイドショーを賑わせていた 日本の政治家さんたちだって、そんなスタンスだったはず!
「ふむ、それもそ……い、いかん! マリーナ、今日から減量を始めなければ駄目だ!」
「そうよ、マリーナ! ずっと目を逸らし続けてきたけれど、あなたは適正体重の倍にもなってしまった。これではいつか、病気になってしまうわ。最初は大変かもしれないけれど、これがあなたのためでもあるの。なにより健康でなければ、やがておいしく食事を取ることだってできなくなってしまう! あなたの十年先、二十年先の健康な未来のために痩せなければいけないわ!」
 お父さま、お母さまが切々と、諭すように告げる。


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