異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
「ふふっ。やっぱりライってば、只者じゃないのね……」
不思議だった。見渡すそこかしこ、なにかひとつを見れば、それぞれにライとの思い出がよみがえった。
それはきっと、それぐらい私とライが密接に過ごしてきたということの裏返し。
寝食を共にして、私たちは多くの時間と感動を共有していたのだ。
……楽しかったなぁ。今思えば、私の人生でこれまでないぐらいに楽しかった。
ライと一緒にがんばった運動も、ライを真似てゆっくり丁寧に取るようになった三度の食事も、衝立越しにライと眠りにつく夜の時間も、全部全部楽しかった。
「……だけどライ? ライは、一個だけ間違えてたよ?」
ライはかつて、なにを楽しみに生きればいいのかと嘆く私に、痩せていく姿を見るのが楽しみになると、そう言った。
それはもちろん、間違いじゃない。
だけど、本当の楽しみは痩せていくことじゃなかった。
毎朝ライに、差し出すノート。そこに記載の体重が、ちょっとずつ減っているのを見て、ライが満足気にうなずいてくれるのがうれしかった。