異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
響き渡る破壊音と、金属網が床にぶつかって起きた地震のような衝撃に、全身がビリビリした。
スタンッ——!
その直後、侵入者が床に着地したのだろう足音を聞いた。
「いやぁぁああ!? 厨房に、泥棒が来たぁああっっ!!」
破壊された排気ダクトから、煤と埃が舞い散る。視界不良で、数十センチ先すらも見通せない。
私は叫びながら、手探りで扉を目指した。
「マリーナァアッッ!!」
え?
ライの声を聞いたと思った。次の瞬間、私は煤で真っ黒のガチムチマッチョに、締め上げるような強さで抱きあげられていた。
「無事か、マリーナ!?」
耳もとで、この二カ月ちょっとですっかり耳になじんだライの声を聞く。
「ライ? ……なんで?」
真っ黒のガチムチマッチョは、煤と埃で汚れたライだった。だけど間近に見るライの瞳は、煤にも埃にも汚れない。輝石よりもっと綺麗な澄みきったブルー。
私はライの澄んだブルーの双眸を見つめながら、ものすごく混乱していた。