異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
……なんでライが、泥棒なの?
「なにがあった!? 怪我はないか!? いや、だいぶ興奮していたと聞いている! 早まるな、落ち着け、落ち着くんだ! そうしてまずはゆっくりと、話をしよう! 現状をすべて、俺に聞かせてほしい!」
ライは、これまでで一番深い皺を眉間に寄せて、弾丸みたいにまくし立てる。
いつになく焦って、余裕のないライの様子に驚く。
だけど、そんなライの様子すらいとしいと感じてしまうのだから、私はきっとどこかおかしいに違いない。
「ふふっ。ねぇライ、そんなに慌ててどうしたの? 私は落ち着いてるよ。今、興奮して早まっているのは、ライだよ?」
私の言葉に、ライはハッとしたように目を見張った。
ライの腕に抱きあげられて、常よりも高くなった視界。いつもと逆、今は私が長身のライを見下ろしていた。
……あ。ライの目もとに、視線が留まった。
私はライの目もとを、指先で払う。ライの長い睫毛に積もる煤が、目に入らないように、何度も何度もぬぐった。
「……マリーナ」