異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
ライは私を抱きしめたまま、私のするに任せていた。
クッキリと刻まれた眉間の皺が、段々と緩んでいくのがわかった。
指先が目尻の際にちょんっと触れたとき、ライは擽ったそうに身じろいで、私の手を握り込んだ。
「ライ?」
ライはしばらくの間、私の手をとても大事そうに握っていた。するとライが、取った私の手を自身の唇にそっと寄せた。
……え?
手の甲に受けた突然の口づけに、ビクンとした。
手の甲への口づけ……。それは一般的に、敬愛の意味を示す。
「マリーナが無事で、本当によかった……」
震える声で告げられた言葉からは、私への心配や労わりが滲み出ていた。
だけど、それはあくまで私を預かった責任感からくる感情……。私に心なんてないくせに、ライは残酷だ。
ライは私の手を取ったまま、なおもゆっくりと言葉を重ねる。
「騎士団に帰り、マリーナが行方知れずと聞かされて目の前が真っ暗になった。その後に、マリーナが王宮いると聞かされて安堵した。だが、マリーナはひどく興奮状態にあるという。マリーナの身にいったいなにがあったのか心配でたまらなかった」