異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
だけど私の頭には、健康な数年先の未来より、今日のお昼に食べる予定のグラタンにカツレツ、『テンプーラ王国うまいものガイド』のおいしそうなあれやこれやが、ぐるぐると巡っていた。
「それにマリーナ、孤独になりがちな減量も、二人三脚で行えば格段に成功しやすいと聞く。これ以上ない助っ人を、わしは用意しておるのだ。マリーナ、ここにいるライ・ザックが減量達成まで付きっきりで指導にあたってくれる!」
お父さまが満を持した様相で、脇に控えるガチムチマッチョをババンと示す。
ライ・ザック……?
初めて知る、ガチムチマッチョ改め、騎士団長の名前。それを耳にした瞬間に、ぞわぞわぞわっと悪寒が全身を走り抜けた。
な、なに!? この、言いようのない嫌悪感? 苦手意識? ……とにかく、禍々しいなにかを彷彿とさせる、末恐ろしい名前は!?
近寄ったらアウトな予感がムンムンする。今世か、前世かはわからない。だけど、ソレっぽいなにかが「他を寄せつけない圧倒的な結果と実績」を誇る「おっかないモノ」であることは知れる。