異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
ライに手を引かれてたどり着いたのは、王宮の屋上だった。私はライにピタリと腰を抱き寄せられて、朝焼けに染まる王都の街並みを眼下に望んでいた。
見晴らしのいい屋上で、早朝の澄み渡った空気を胸に吸い込めば、思考までもがすっきりと晴れていくようだった。
「マリーナ、テンプーラ王国は自然に恵まれた豊かな国だ。商業も盛んで街には活気が満ちている。それは、近隣各国で最も国力を有する富国と言って過言でない」
上りゆく太陽が、段々と街を照らしだす。それを寄りそって見つめていたライが、ゆっくりと口を開いた。
「……そうだね。テンプーラ王国は豊かだね」
私は前世、日本での暮らしを知っている。物質的な部分だけで比べてしまえば、そこは日本には及ばない。けれど人心は逆に、テンプーラ王国の方が豊かなように感じていた。
「しかし、マリーナの指摘した通り、俺の生まれはここテンプーラ王国ではない」
ライが、私の腰を抱くのと逆の手をスッと持ち上げる。その手が、王都を真っ直ぐに走る大通りを指し示す。
ライが指差す通り。その先は南の国境に続く……。