異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~

「本当なら減量も志半ばの今、こんなふうに思いを打ち明けることは、俺の本意ではない」
 ここで、これまでずっと私の腰を抱きよせていた大きな手がそっとはずされた。ライのぬくもりが消えてしまったことが、胸に切なかった。
「けれど、マリーナの疑念を払拭するために、あえて今告げる」
 え? 次の瞬間、視界からライが消えた。
「マリーナ、俺は件の王女の含め、プローテイン王国にいっさいの未練はない」
 ライの声は、下から聞こえた。
 つられて目線を下げれば、ライが私の足もとに膝を突いて見上げていた。その瞳の射貫くような強さに、ドキリとした。
「……ライ?」
 ライの大きくて温かな手が、やわらかに私の右手を包み込む。ライはまるで宝物でもいただくように、私の手をそっと自身の額に宛がった。
 私を見上げ、ライがゆっくりと口を開く。
「なぜなら、俺が唯一敬愛する王女はマリーナ、あなただからだ。けれど共に同じ目標に向かって日々を過ごす中で、敬愛の情は段々と形を変えた。敬愛していたあなたが、俺の胸でまばゆいほどにその存在感を増していった。……そして今、俺がマリーナに抱くのは、主従としての敬愛の情ではない」


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