異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~


 私は慌てて跳び起きると、邪魔にならないようにいそいそと場所を移った。
「マリーナ王女」
 うん?
 ライたちから少し距離を置き、私が木陰に腰を落ち着けたところで、かけられた声に振り向く。
 声をかけてきたのは、鍛錬中に度々声援を受け、幾度か会話を交わしたことのある顔見知りの騎士だった。
「どうしたの?」
「マリーナ王女、もうじきここを出ていってしまわれるのですよね?」
「うん、あと二週間でダイエットが終わるの。そうしたら、私はここを出て王宮に戻るよ」
 騎士に向けて告げた台詞がなぜか、私の胸にヒリヒリと染みる。
 ……ライと過ごせるのも、あと二週間。
「マリーナ王女がいなくなってしまったら、寂しくなります」
 騎士の言葉に、私は小さく首をかしげた。
 顔を合わせれば挨拶をする程度、その私がいなくなって寂しいとは、おかしなことを言う。
「マリーナ王女、私たちは会話はもとより、顔を合わせた時間もとてもわずです」
 騎士の言葉はまるで、私の内心の疑問をくみ取ったかのようだった。


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