異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
「……ごめん。私は——」
「わかっております。すべて、わかっています。不躾に御手を取ってしまい、申し訳ありませんでした。どうかお幸せに、マリーナ王女」
騎士は晴れ晴れしい笑みで、最後に一礼した。
「待って!」
私は踵を返しかける騎士の手をスッと取る。その指先に、私はそっと唇を落とした。
……指先へのキスは、祝福。騎士から受けた祝福に、私も祝福を返した。
「あなたの今後に祝福が多くありますように」
応えることはできない。けれど私にも、祈ることはできる。
「マリーナ王女、ありがとうございます」
騎士は私に深く頭を下げ、今度こそそっと踵を返した。
私は小さくなっていく騎士の背中を、ぼんやりと見つめていた。
カサッ——。
うしろから足音が聞こえたと思った。すると次の瞬間、見送っていた騎士の背中が消えた。
「んっ!?」