異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~


 いや、消えたのは騎士の背中だけじゃない。消えたのは、私の視界に映る景色!
 けれど私はすぐに、視界を塞ぐ大きくて温かなそれの正体に気づく。
「ライ? どうしたの?」
 うしろから、すっぽりと私のまぶたを塞ぐライの手に、そっと私の手を重ねた。
 私はちょいちょいと力を入れて、まぶたに覆いかぶさる大きな手をずらそうとするのだけれど、ライはすっぽりと私の視界を塞いだまま一向に動こうとしない。
「ラーイ?」
 ならばと、ちょっと強引にライを振り返ろうとした。
「……マリーナ。醜い嫉妬の炎を燃やす愚かな男を、どうか視界に映してくれるな」
 っ!! ライからもたらされた言葉の温度に、全身がカッと熱くなった。
 それこそ私自身が炎にでもなってしまったみたい。
 だけど一番熱いのは、心。歓喜に震える心が、燃えるように熱い。
「……ライ、見せてよ? ライが愚かだなんてあり得ないけど、仮に愚かだとしても私は見たい。ライの全部を、私は見たいよ?」
「っ! マリーナ!!」
「あっ!?」
 気づいたときには、私はライの胸に、苦しいくらいの強さですっぽりと抱きすくめられていた。


< 300 / 325 >

この作品をシェア

pagetop