異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~




 痩せたことは、もちろんうれしい。身軽になり、膝腰の痛みに悩まされることもない。
 長かった減量生活のゴールがもう、目前に迫っていた。
 なのに、どことなく気分が晴れないのはどうしてだろう?
 王宮に帰ったら、ちょっとのスイーツくらい、きっと大目に見てもらえちゃう。
 朝だって、毎日早起きしなくたって大丈夫。
 運動も気分がのらなかったら、今日はパス、ってしちゃえるよ?
 ……だけど王宮に帰ったら、ライがいない。
 ライがいれば、スイーツなんてなくていい。ライと向かい合って食べる騎士食堂のご飯が、今はなによりもご馳走に思える。
 ライにお布団をゆさゆさされて起きる朝は、私の大好きな時間のひとつ。ライに耳もとで呼ばれる名前と、優しいゆさゆさが心地好くて、わざと目をつむったまま時間稼ぎをしているのは内緒だ。
 運動も今は、私にとってこれっぽっちも苦痛じゃなかった。ひとつ達成するごとにもらえるライの笑顔も労いも、どれもこれもがうれしい。
 なんなら、もっとってくらいに張りきっちゃう。要するに私は、ライとのお別れが寂しいんだ……。


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