異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~

「どうしてあの話の流れで、狼に変身と言われた言葉を、文字通り狼に化けると解釈ができるのか……。こんなに純粋無垢な十六歳って、逆に末恐ろしいですわ。私、少々ライ・ザック殿に同情いたしますわ」
「っ、ぷはぁっ! アイーダ、ありがとっ。私も入る!」
 私はお湯がひと通り滴り落ちるのを待って、塞いでいた耳と目を開けた。そうして泡がすべて流れたのを確認すると、広い浴槽のアイーダの隣に向かって、勢いよく飛び込んだ。
「きゃっ! 姫様、急に飛び込まれますとお湯がっ」
 アイーダが、ちょっと慌てた声をあげた。きっとアイーダは、かつての悲劇を思い出したに違いない。
「へへっ。アイーダ、もう浴槽で滝はできないよ。観葉植物が流れちゃったり、石鹸やらローションやらの備品が大波にさらわれちゃたりはしないよ」
 今はもう、私が浴槽に飛び込んでも、お湯がわずかに波打ってこぼれるだけ。
 以前のように、あらゆる物品を巻き込みながら、ザッパーンと豪快にお湯があふれるなんてことはない。
「ま、まあ! そうでしたわ!」


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