異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
そんなこんなでデートも終盤に差しかかった別れ際、迷ったあげく、私はついにライの袖を引いた。
「ねぇライ? 私まだ、帰りたくないの」
「どうしたんだマリーナ?」
私はアイーダから伝授された「お願い」をするべく、意を決して、ライに向かってちょいちょいと 小さく手招きした。
「うん?」
ライはそれに応えるように 腰をかがめ、私の口もとに耳を傾けた。
「あ、あのね? ——」
私はライの逞しい肩にちょこんっと手をそえて、耳もとでささやいた。
すると私の「お願い」を聞いたライが、ビキンッと固まった。いつもならこんな時、ライの眉間には皺が寄り、こめかみには青筋が浮かぶ。だけど予想に反し、見上げたライには眉間の皺も青筋もなかった。例えるならそれは、すべての煩悩を振りきり、或いは、解き放ち、一段上のステージに到達したかのような、そんな顔。
「きゃっ!」
次の瞬間、私はライの腕に抱きあげられ、マッハの速度で 連行された。
ライの抱っこでたどり着いた先は、王都の一等地に圧倒的な存在感でドドンと聳え立つお屋敷だった。