異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
「ほう、これならば食事管理は問題なく任せられるな」
昼食の席に着き、供された料理を見回したライが、納得の様子でうなずいた。
「ええ! 料理長も低カロリー高たんぱく、かつ、ボリューム感の ある料理を姫様にいかに提供できるか、腕の見せどころだと張りきっておりました」
……ボリューム感? いったいどこがと、問いたい。
だって、いくら立体的に綺麗に盛りつけられていたって、私にはわかる。
皿の真ん中の塊は、蒸し鶏……。そこは本来、霜降り肉がのっかる場所。 脇を固める白い塊は、カブの煮しめ……。そこにいるはずだった、マヨネーズたっぷりのマッシュポテトがいない 。
フリフリのベビーリーフサラダは、一見すれば 華やか……。だけどレモンが香るだけで、いつもの濃厚なサウザンアイランドドレッシングがかかっていない。
それにパン皿には、小さなベーグルがひとつだけ……。私はバターが芳醇に香る、サクサクのクロワッサンの方がいい。
「……いただきます」
だけどお腹はペコペコで、私は仕方なく目の前の若干……ううん、かなり味気なさそうな料理に手を伸ばした。