異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~


 ひとつひとつは、たしかにあっさりめだけど味はいい。けれどいかんせん大食らいの私には、量が少ない。
 ゆっくり食べようと思ったけれど、結局いつも通り、どの料理もふた口で食べ終えてしまった。 お腹は当然、ちっとも膨れてこない。
 ため息と共に、目線を下げる。
 あ! なんとお皿の端っこに、ベビーリーフのちっちゃい葉っぱが残ってた!
 意気揚々と小さな葉っぱを頬張るも、小さな葉っぱは噛みしめる感覚すらないままに、口から消えた。
 ……うぅぅ。なんか、ものすごくひもじい。
 ここでふと、向かいで食事をするライに目が留まる。……え、嘘でしょう!?
 ライはいまだ、皿に半分ほどの料理を残していた。ジーッと見つめていれば、ライは蒸し鶏をナイフでひと口大にカットして、フォークで丁寧に口に運んだ。そして 長いこと噛みしめて、のみ込む。それが胃におさまると また、新たな料理にフォークを伸ばす。
 思わず、私はゴクリと唾をのむ。


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