異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~


 なのにライは、優しくない……。しかも「やらん」って言ったとき、ライは眉間の皺に加えて、こめかみに青筋まで浮かべてわなわなと震えていた。
 ……そこまで、怒らなくったっていいのに。そこまで、厳しくしなくたって ……う、うぅぅうっ。私は内心で、泣いた。
 結局残りのベーグルも、ライの口内に消えた。
 無念……。
 私はガックリと肩を落とし、仕方なくガブガブと水を飲んだ。
 しばらくすると、どうらやベーグルが水を吸い、お腹の中で 膨らんできたようだった。なるほど、料理長の料理はなかなか理にかなっているようだ、ちょっとだけそう思えた。


 昼食を済ませた私とライは、並んで王宮内庭園の入り口の前にいた。
 ついに、体力測定とやらの始まりだ。
 庭園では、休憩中の高官や女官らが、咲き誇る花々を眺め、楽しそうにしていた。重たい体と心を引きずる私とは、まるで別世界の住人の ようだ。
「マリーナ、まずは準備運動に王宮内庭園を一周だ」


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