異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
「……はい」
そんなに走ったら準備運動だけで日が暮れちゃうよと思いつつ、面倒なのでとりあえず返事をしておく 。
そもそも、私はいまだ昼食の衝撃が抜けきれておらず、ライの言っていることも どこか上の空で聞いていた。
「よし、走るぞ」
どうやらライも、私と並走する気のようだ。
……仕方ない、女は度胸だ! なによりやらなきゃ終わらない、走ってやるか!
私は意を決して踏み出し、がんばって走る。
「おい、マリーナ。俺は走れと言っている」
少し進んだところで、ライが怪訝そうに声をあげる。
「はい? だから走っていますが?」
なんだなんだ?
私もライも、お互いに首をひねる。
「ライ・ザック殿ー! 姫様はそれでも走っておられるのですわーっ!」
記録係を任され 、庭園の入口に控えていたアイーダが、ライに向かって声を張る。