異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
いつも小食のお母さまは、昨日も皿に半分ほどを残していた。私はいつも通り、残りを食べようと向かいからニコニコで腕を伸ばした。ところがお母さまは、私が皿に手をかける直前でスッと取り上げると、あろうことかその皿を侍女に渡した。そうして有無を言わさず、下げさせてしまった。
私はこれまで、お父さまとお母さまから、こんな仕打ちを受けたことなんてなかった。
私は満たされないお腹と、ふたりの鬼の所業に泣いた。だけど、食堂を出るお父さまとお母さまの目にも涙が滲んでいたこと、私は知ってる……。
やるせなさに歯噛みして、閉じていたまぶたを開く。眠ることはあきらめて、私はおもむろに枕の下に手を入れた。
私は枕の下に敷き入れていた『テンプーラ王国うまいものガイド』を引っ張り出し、胸に抱きしめて泣いた。
「うっ、うぅぅっ」
今回の減量に賭ける、お父さまとお母さまの本気度はわかっていたし、私だってその期待に応えたかった。
優しいふたりを悲しませる親不孝なんて、本意じゃない。
「うぇぇえっっ、お腹減ったよおぉ」
……だけど、空腹だってもっともっと本意じゃない。
結局そのあとは空腹によって一睡もできず、私はダイエット二日目の始まりを前にして結構弱っていた。主に、心が……。