異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
え? ……ライが、謝るのはおかしい。
私はゆるゆると首を振り、それは違うと訴える。
「とにかく、すぐに薬を塗らねば」
言うが早いか、ライは腕を解くとガチムチマッチョに見合わぬ俊敏さで薬を取りに消えた。
私はライの慌てぶりに、開いた口を閉じられず、ポカーンと呆けていた。
だってライは、冷酷無慈悲な騎士団長……。ライの噂の数々は、当然私の耳にだって聞こえている。
ライの就任前、テンプーラ王国騎士団は長年の平和にのほほんと浸りきり、野盗の討伐にすら手を焼く始末だったそう。ライはその、国内外からタルンタルン騎士団と揶揄されていた弱小騎士団を、騎士団長就任からわず一年でシュッと引きしめてしまった。
他を寄せつけない圧倒的な実績 、冷酷無慈悲と恐れられながらも皆を一人前に仕立て上げる指導力 、これらはもう、いっそ伝説といっていいレベル。
そんなライが率いるテンプーラ王国騎士団の激しい訓練では、流血沙汰だって日常茶飯事だと聞きかじる。