異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
「いや、なんでもない」
ライは素っ気なく、スイッと私から視線を逸らしながら答えた。
どうやら私の太腿に薬を塗り込むのは、ガチムチマッチョなライをもってしても大汗必至の大仕事だったらしい。
私はなんだか申し訳なくて、スカートのポケットからハンカチを引っ張り出すと、伸び上がってライの首もとに滲む汗をちょいちょいと拭いた。
長身のライの額までは、残念ながら手が届かなかったのだ。
ライは一瞬目を見張り、次いで少し困ったように笑った。
「汗はじきに引く、問題ない」
そう言われてしまっては仕方ない。私はすごすごとハンカチを握る手を引いた。
「……マリーナ、今日の運動はここまでだ。その股ずれに関しては、俺の方で対処を考える。それから、就寝前にコップ一杯の水を飲むといい。空腹も落ち着く。そのほか、寝つきに有効な方法をいくつかノートに書いてある。眠れないときがあれば試してみるといい、ではな」
ライはそう言って、私にノートを差し出した。
どうやらライには、眠れていなかったことがバレていたらしい。