異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
ソファに腰を下ろすと、ライが私の向かいに片膝を突き、目線の高さを同じにする。
真正面から見るライの表情は真剣そのもので、その目は少し厳しい。ただしその厳しさは、私を戒めようとする意図とは少し違うように感じた。
私はそれに、しっかりとうなずくことで応えた。
「今回の減量に際し、陛下が君に、肥満の王族として追放の憂き目にあいたくなければと、そう言ったのを覚えているか?」
ライは私の目を見つめたまま、静かに切り出した。
「はい……」
直後に聞かされた「減量」という言葉のインパクトにすっかりかすんでしまったけれど、お父さまから聞かされたときに、「追放」という物騒な響きにギョッとしたことを覚えている。
「だがマリーナ、君はそれを本気で捉えてはいない。君はなんとかなるだろうと、そう思っている。違うか?」
言い当てられ、ギクリと肩がすくむ。
「もちろん、私の肥満が法案審議に影響しているだろうことはわかってる。だから、痩せなきゃとも思ってる。だけど、追放に関してはライの指摘の通りで…… 」