異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~


 言葉の最後は尻つぼみになる 。それは、当事者の私が言うには、あまりにも無責任だとわかっていた。
 けれどライの言う通りで、私は自分が本気で追放されるとは思っていなかった。心のどこかで、結局最後はなんとかなるのだろうと慢心していた。
「本音を言えば俺自身も当初、追放に関しては鵜呑みにしていなかった。だが、ここにきて事はそう単純ではなくなっている。おふたりはマリーナのことを思って強くは言わないが、状況は一刻の猶予もないところまできてしまっている」
「え……?」
 ライから聞かされた言葉は私にとって、あまりにも予想外のものだった。
「ここ数日、議会は陛下の想定をはるかに越えて揉めに揉め、紛糾している。陛下は議会を重ねるごとに厳しい局面に追い込まれている」
「……そんな、お父さまがそんなに大変なことになっているなんて知らなかった。だってお父さまはそんなこと、ひと言だって……」
 毎晩、お父さまとは夕食を共にしている。
 だけどお父さまはいつも、ライとのダイエットのことや、段々と磨きがかかっていく料理長のヘルシーな料理のことなど、私がする取り留めのない話をニコニコと微笑んで聞いていた。


< 93 / 325 >

この作品をシェア

pagetop