異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~

「……陛下はもちろんだが、その議会で槍玉にあがっているのは王妃様だ」
「え? お母さま?」
 続くライの言葉は、よくわからなかった。
 だって夕食の席のお母さまも、お父さまと同じでいつだって笑っていて……?
「王妃様は、初めて民間から嫁がれて王妃となられた。保守的な貴族の中には、いまだそれを快く思わない者もある。君の養育に際し、かたくなに養育係をつけなかったことも、甘やかしを助長したとして追及されている。陛下はこの問題の火消しに奔走しておられるが、王妃様は依然、王妃としての資質、責任を問われる大変厳しい状況だ」
「そんなっ……!」
 やりどころのない憤りに、体の内側から震えが湧き上がる。こんな不条理は、到底納得できるわけがなかった。
 震える拳をギュッと握りしめた。短く整えているはずの爪が、ギリギリと手のひらに食い込むけれど、今は痛みとすら認識されない。
 悔しくて、やるせなくて……。だけどこの悔しさは、不条理な貴族たちに対してだけじゃなかった。


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