異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~


 私は優しいお父さまとお母さまに守られて、甘やかされて、ふたりの笑顔に欠片の疑問すら抱けなかった。笑顔の裏で、ふたりがどんなに苦悩していたことか……!
「お母さまの資質!? 責任!? そんなのは私の肥満に関係ない! 私が太ってるのは、お母さまのせいじゃないよ!?」
 安穏としていた自分自身が悔しくてたまらなかった。
 私はわななく唇で、ライに向かって噛みつくみたいに訴えた。
「その通りだ。これは単なるこじつけだ。一部の貴族議員は王妃様の責任のみならず、果てはご実家の商売に対しても、重箱の隅をつつくような追及をしてくる。この一連の流れの裏には、この機に乗じて王妃様を失脚させたい貴族らの思惑がある 」
 お祖父ちゃんとお祖母ちゃんまで……!?
「だって、お祖父ちゃんとお祖母ちゃんは利益なんて二の次で、地域への還元とか貢献とか、そこいらの貴族議員よりよっぽど積極的にやってるよ? まっとうすぎる志の商売しか、してないよ!?」
「マリーナ、理不尽は俺も重々承知している!」
 っ!? 気づいたときには、私はライの温かな胸の中にきつく抱きしめられていた。
「だが、これが現実だ」


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