異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~


 だけど、泣いていてもなんの解決にもならないことはわかっていた。ギュッと目をつむり、そうして次に顔を上げたとき、私はもう泣くのをやめた。
「……マリーナ、ちなみにこれらはすべて俺の独断で告げた。陛下と王妃様は、君に告げるつもりはなかった。なぜなら、今回の減量は、あくまで君の健康を願う親心でおふたりが決めたことだからだ。議会の紛糾はきっかけにすぎない。おふたりにとって君の減量というのは、君の心身を損なってまで成したいものではなかった。だから今も 、ご自分たちの手で君の追放を回避しようと奔走している」
 ならばライは、あえてそれを押して、言いにくいことを伝える役どころを買って出てくれたのだ。お父さまとお母さまのため、そしてほかならない私のために……。
「うん。私を目に入れても痛くないほどかわいがって、大事にしてくれるお父さまとお母さまなら、きっとそうだと思う。でもねライ、私だって同じだけふたりが大切なんだ。だから私、ちゃんと聞かせてもらってよかった。ライにこんなことを言わせちゃってごめんね」
 私はこんなにも愛されてる。だけど同じだけ、私もみんなを愛してる。ならば私はどうすべきか、今はちゃんとわかっている。


< 97 / 325 >

この作品をシェア

pagetop