墜落的トキシック
黙りこんだまま、髪を伝ってぽたぽたと落ちてくる水滴とにらめっこしていると。
「……白」
「しろ……?」
ぽつり、呟いた佐和くんの言葉。
頭の中で上手く変換できなくて、瞬きを繰り返す。
そんな私の胸元あたりを見つめた佐和くんは、喉奥でくっ、と笑った。
「透けてる」
佐和くんの言葉に、そろりと自分の胸元に視線を落として。
「っ!?」
慌てて腕で上半身を覆い隠した。
“白”。
濡れたシャツから透けた “白” は────言わずもがな、ブラ、の色、で。
最悪だ……。
よりによって佐和くんに。
見られた、なんて。
ぎゅう、と身体の前で腕を抱きしめて、
青ざめたまま佐和くんのことを睨みつけていると。
彼は飄々とした表情で口を開く。
「スカートもやけに短いし、もしかして誘ってんの?」
「んなわけあるかあ!!」
ソッコーで否定した。
この人の思考回路って、本当にどうなってるの。
そういうことしか考えられないの?
スカートは濡れ対策で折っていただけだし、水は本当にたまたま被っちゃっただけだもん。
それに、天と地がひっくり返ったとしても、佐和くんだけは誘わない。