墜落的トキシック
「いいよ、別に。それに、久住さんってすぐに風邪ひきそうだし」
佐和くんのせいで風邪ひいた、とか後から言われる方がめんどくさい。
と既に面倒そうな口調で付け足した佐和くん。
「えっと……じゃあ、お借りします」
佐和くんの言い方は少しあれだけど。
シャツを貸してくれるという提案自体は願ってもないことだった。
お言葉に甘えて、とシャツの袖に腕を通す。
ふわっと香った匂いが新鮮で、すんっ、と鼻で息を吸った。
匂い、ハルとは全然違う。
ハルとは違うけど、確かに男の子の匂いだ。
ふうん、佐和くんの匂いってこんな感じなんだ。
なんか、匂いはそんなに……嫌いじゃないかも。
というか、むしろ─────
「匂い嗅ぐなよ、変態」
「か、いでないもん……!」
「嘘つけ。すんすんしてたくせに」
図星をさされて、むぐっと口ごもった。
完膚なきまでに、ばれてる。