墜落的トキシック
そんなはずあるわけもないのに、と侑吏くんの反論を待っていたけれど。
────なんで何も言わないの、否定しないの。
口を閉ざしたままの侑吏くんに、ごくりと唾を飲んだ。
それじゃあまるで……。
「知りたいよ、花乃のこと」
「っ!」
侑吏くんの言葉に反応して、じわ、と体の奥から熱が這い上がってくる。
何これ何これ、何これ。
知らない感覚に戸惑いながら、口をぱくぱくさせることしかできずにいると。
「────とでも言うと思ったか、ばーか」
んべ、と舌を出した侑吏くん。
冷やかしの笑みが追いうち。
……最悪だ。
タイミングよく鳴り響いた予鈴の音を合図に、私は荷物を鷲掴みにして空き教室を飛び出した。もちろん侑吏くんは置き去りにして。
「侑吏くんのばか!」
腹いせに叫ぶと、後ろからくっ、と笑い声が聞こえて。
なぜか熱くなった頬を手で覆いながら、心の中でもう一度「ばか」と侑吏くんのことをなじるのだった。