墜落的トキシック


花乃が佐和と関わり始めた頃、ああ、こいつなのか、と思った。
彼女が誰かのことをあんな風に気にかけるのは最初から、珍しかったんだ。


羨ましいなんて思いたくないけれど、羨ましいと思った。
俺の方が絶対花乃のことを好きなのに、花乃に想われるのはあいつなんだと思うと。




「あの子のことずっと好きでいるつもりなのっ? そんなのいつか、気が狂うよ」



もう狂ってる。
最初から狂ってるんだ。

でもそれでもいいとさえ思っている。

呪われるのも囚われるのも、きみになら本望だ。




「あんた、名前なんだっけ」

「え?……覚えてない、の?」

「名前」

「北村、琴葉。一年のとき同じクラスで、仁科くんに告白した……」

「北村さん。俺はやめたほうがいいよ」

「……な、んで」



なんでって。



「一生好きにならないから」





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