墜落的トキシック
階段のステップを、八つ当たりするみたいに蹴り上げて二段飛ばしくらいで駆け上がる。
普段、運動をしないからすぐに息が上がる。
空っぽになった肺が酸素を欲している。
呼吸が乱れて、でも。
苦しい、より、もっと、なんか、こう。
─────“苦しい” って、感情の波がどっと押し寄せてくるようなそんなイメージだけど、これはその逆だ。
サアア、と遠のいていく。
私のなかから、どんどんなにかが零れ落ちて、空っぽになって抜け殻になるような。
心臓の鼓動でさえ、私の身体を離れてどこか遠くで鳴っているような感覚だった。
屋上に出る扉のドアノブに手をかける。
どうして私、こんなところまで来たんだろう、なんて今さらなタイミングで思いながら、諦め半分でノブを引いた。
ギイイ、と年季の入った錆の音が響く。
─────うそ、開いた。
開いたドアを信じられないような気持ちでまじまじと見つめる。