墜落的トキシック
この学校では屋上は基本的に閉鎖されているのだ。
生徒が自由に出入りすることができるのは、文化祭や卒業式といった行事の際に故意に開放されたときだけ。
それ以外の平時は、先生に許可をとって鍵を借りないと屋上に出ることはできない仕様だ。
変だな、なんで開いてるんだろう。
……入れないとわかった上で、なぜかここに来ている私も十分変なんだけど。
足が勝手に動いて気づけばここに来ていた、としか。
先生にばれたらどうしよう、と一瞬理性で躊躇して、一瞬のちには、まあいいか、と扉の先へ足を踏み入れていた。
実は、屋上に出たのはこれがはじめて。
空っぽになった肺を満たすように、深く息を吸い込んだ。
……空気なんかじゃ、満たされないってわかってはいるけれど。気休めだ。
落下防止の柵のぎりぎりのところまで歩み寄って空を仰いだ。
終業式が行われただけの今日は、放課後とはいえ、まだ真昼間。
見上げた空は、吸い込まれそうなブルーだった。
雲ひとつさえ浮かんでいない。