墜落的トキシック
涙腺がまた緩んで、視界がぼやける。
頬から顎先に伝った滴が
重力で落下したのがわかった。
滲んだ視界の向こうで女の子がゆるく微笑んだのを気配で感じる。
『まー、そういうときもあるよねえ。涙は思いっきり出しきったほうがいいって聞くし!』
デトックス効果っていうんだっけ?
なんてあっけらかんとしている彼女に、眉をひそめた。
泣いている私を慰めていいのはハルだけ。
ハルじゃないとやだ。
だってわかるわけがない。
ハル以外の人に私の気持ちなんて、わからない。
わかってたまるか。
弱いところはハルにしか見せないと決めたんだ。
だから、この子の前でこれ以上醜態を晒すわけにはいかないの。
そう思って、意地でも涙を止めようと目元にぎゅっと力を込めるも、止まるどころか勢いを増すばかりだった。
そんな私の様子を見た女の子は、
がばっと腕を広げて。
『胸、貸したげよっかー? ちなみに柔らかいよ!出血大サービスね!』