墜落的トキシック



「わかった?」



麻美の勢いにおされて、
こくこく、と首を縦に振った。




でも、本当のところは
ぴんと来ていない。



ハルは幼なじみで
昔から知っているから余計に。



他の女の子にハルがどう見えているか、とかハルの彼女である私がどう思われているか、とか気にしたこともなかった。






「だから、花乃と仁科くんが別れたのはかなりのビッグニュースだったのよ。仁科くんが花乃に別れを切り出したのを、たまたま見ていた子がいて、そこから尾びれがついて話がぶわっと広まったみたいだけど」


「……そうだったんだ」


「ま、あの屋上の時点では、私はそんなこと知る由もなかったんだけどね!なにせ、別れた直後だったんでしょ?」




頷いた私に、麻美はふふっと思い出し笑いをする。




「そんな有名人が、この世の終わりみたいな顔で屋上に向かっていくんだから気にならないわけないわよねー。どんな子なんだと前から思ってはいたけれど、いい意味でぶっ飛んでて最高だし」


「ぶっ飛んでて、ってどういうこと……!」


「ちょこちょこ斜め上をいく感じが飽きないんだよねえ、花乃って」


「その台詞そのままそっくり返したい!」





ちゃっかり自分のことを棚に上げているけれど、麻美も相当その気があると思う。


むしろ、ぶっ飛び具合では麻美の方が上なんじゃないの?





「振り返ってみると、こうやって花乃と話すようになったのもごく最近のことなんだよねー」





しみじみと呟く麻美。




三月中旬の、終業式の日。

あれからもう随分と長い間経ったような気がしていたけれど、実はほんの二か月前のことなんだよね。




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