墜落的トキシック


「それはそうと! 花乃はこの一か月、佐和くんと仲良くする努力しなよー? いつまでも険悪ムードでいられるわけじゃないんだからさあ」


「それは多分無理」



「えー? 私だったら佐和くんの隣なんて万々歳なのになあ」




目の保養じゃーん、なんて麻美は羨ましそうな顔をしているけれど。





「だって、あの人何考えてるか全然わからない……」




ちょうどそのタイミングで、教室の前の扉から佐和くんが入ってくるのが見えた。



─────しかも、あろうことか、北村さんと一緒に。




なんだ、やっぱり仲良いんじゃん。

席替えのときは、あっさり追い払ったくせに。




佐和くんが考えていることって、やっぱりよくわからない。

たぶん、一生かかっても理解できない。





「もう花乃がどれだけ佐和くんのことを気に入らないかはわかったから、その怖い顔をやめてくれると嬉しいんだけど」




知らず知らずのうちに思いっきり眉間に皺を寄せていたらしい。

若干怯えながらの麻美の指摘で気づく。





そのすぐあと、予鈴が鳴って。

自分の席に戻った麻美と入れ違いで佐和くんが戻ってきた。






─────『仲良くすればいいのに』と言う麻美には悪いけれど、私には到底できそうにない。






せめて、できるだけ穏便に過ごすべく、
昼からの授業では、できるだけ佐和くんを視界に入れないように努めたのだった。



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