墜落的トキシック
でも逆らえない。
逆らったところで、佐和くんに倍返しされるだけだということは、もう学習済みだから。
嫌悪感むき出しの表情で、でも何も言わずに頷いた私に佐和くんは満足気に教室を出ていく。
去り際、佐和くんが片手に持ったケータイの画面がちらりと見えた。
LIMEのトーク画面。
思わず、げっ、と顔をしかめた。
相手側からのメッセージの語尾、全部にご丁寧にハートマークがついていて明らかに女の子の文面だ。
また、女の子。
……というか、いつも女の子だ。
たしか、この前は北村さんと一緒に抜けていた。
佐和くんが遊んでいる女の子は数人どころじゃない。
いろんな女の子と授業をさぼっては、あんなことやこんなこと、してるんだ。
不純、ケダモノ。
何度、『佐和くんは女の子と一緒にさぼりです』と告げ口してやろうと思ったことか。
……あとが怖くて、毎度のことながら実行までには至らないのだけど。