墜落的トキシック
─────キーンコーンカーンコーン
チャイムの音で授業がはじまる。
「佐和くんは? 今日は休み?」
三限は英語の授業。
英語の先生は、教室に入ってくるなり空席を目ざとく見つけて尋ねた。
この先生はコワモテで、顔だけではなく実際にも厳しいことで有名。
鬼教師だ、とまことしやかに囁かれているほどだ。
「……ええっと、佐和くんはその……。お、お腹が痛いって保健室で寝ています……」
冷や汗をかきながら、そう言うと。
「あらそうなの。大丈夫かしらね」
……うそ、信じた。
あの厳しい先生が、こんなに下手な嘘でも信じるなんて。
佐和くんが猫をかぶりながら積み上げてきた信用というのも、あなどれないわけだ。
佐和くんの手のひらの上で転がされている、あまりにちょろい先生たちのことが気の毒になってくる。
ひそかに申し訳なく思いながらも口にはせず、大人しく授業を受けた。