スパークリング・ハニー
ほんとのほんとは、サイダーかぶった記念、なんかじゃなくて。
────篠宮くんがサイダーをくれた記念。
家できれいに洗って、乾かして、飾っておこうかなって。
うっ、なんだか言葉にするとすごく気持ち悪いな。変態さんみたいだ。
でもでも! 誰にも見せないもん。
自分の部屋にこっそり飾るだけ。
それくらいなら……いいよね?
このサイダーが篠宮くんからもらったものだということを、こもりんは知らない。
さっき、言わなかったから。
だって、篠宮くんとのことは私だけのひみつの宝物にしたくなっちゃったんだもの。
それに、私が篠宮くんに憧れているなんて、そんなこと、誰も知らない。誰にも言えない。
ひそかにひそかに憧れているだけで、十分なんだ。