スパークリング・ハニー
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「あ、瑞沢」



早くも午前中が過ぎ去って。

お昼ごはんのあと、午後の試合に向けてアキレス腱を伸ばしたり、ぴょんぴょん跳ねたりして準備体操をしていたら。



「篠宮くん……!」



たまたま通りかかったのか、篠宮くんが声をかけてくれる。


後ろから急に、だったからいきなり心拍数がぐっと上がったの、自分でもわかるよ。



篠宮くんって、ぜったいに自分から声をかけてきてくれる。


周りをよく見ている証拠だ。


それに、そうされて嬉しくないわけがないもの。皆に好かれるわけだよ。



「瑞沢はこのあと、また試合だっけ」

「そう!」



午前中にもひと試合すでに終えているのだけれど、なんとか勝ち抜くことができて、次へ駒を進めることになったの。



次にあたる予定のクラスは、運動神経のいい子が多いってうわさだから、今からちょっと緊張している。


勝っても負けても楽しいことには変わらないけれど、やっぱり目指せ優勝、だもの。



「篠宮くんもおつかれさま!」

「ありがと、見にきてくれてたよな」

「うん、篠宮くん大活躍だったでしょ、すごかったよ!」



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