スパークリング・ハニー



お昼休憩に入る直前の、男子バスケットボールの試合。


ちょうど私たちの試合が終わったあとだったから、急いで体育館に駆けつけたの。


経験のないはずのスポーツでもなんなくこなせちゃうっていう人、男の子にはよくいるけれど、あれってどういう仕組みなんだろうってたまに真剣に考えちゃうな。


中でも篠宮くんはすごかった、本当に。
ひいき目なしでもそう思う。


もともとの運動神経がいいのか、バスケの経験はないはずなのに、ボールの扱いがすごく上手くて、ナイスプレーの連発だった。

思わず歓声を上げちゃったくらいだ。


────とはいえ、相手のクラスもすごく強くて、結果はほんのわずかな差で私たちのクラスの負けだったのだけど。




「あともうちょっと身長が高ければなーってすげー思った」



冗談っぽく、くしゃっと笑う篠宮くん。
それにつられて私も笑顔になる。



「あは、今でもじゅうぶん高いのに?」

「1回、2メートルくらいになってみたいんだよな。ちょっと憧れる」



思わず2メートルになった篠宮くんを想像してちいさく笑うと、「こら笑うなよ」って篠宮くんに軽く小突かれる。



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