スパークリング・ハニー



「そうだ、午後の試合は応援しに行くから」




午前はバスケと被ってて、そっち行けなかったからってちょっと残念そうな顔をする篠宮くん。




「ええっ、そんなの緊張する……!」

「なんでだよ」

「だって、篠宮くんはその道のプロじゃん!」




私の言葉に篠宮くんはまた笑う。



でも、こちとら笑い事ではない。

篠宮くんは現役サッカー部員だし、そんなひとに私のお見苦しいプレーを見せるなんて……!



そういえば、こもりんも見に来てくれるって言ってたな。



ちなみに、こもりんの出場するソフトボールの試合はタイミングよく応援することができて、こもりんの活躍の瞬間はしかと見届けたよ。


しっかり勝利を収めるところも、さすがはこもりんというところ。



「楽しみにしてる」

「期待はしないでね……っ?」

「はは」




その顔はぜったい面白がっているでしょ……!



むう、と唇をとがらせると、それをなだめるみたいに頭の上にぽん、と篠宮くんの大きな手のひらが乗った。



とくんと心臓が揺れる。


篠宮くんの何気ない仕草が、ぜんぶ、神経に伝わって、いつも胸のあたりがおかしくなる。



最近は、特にそうかもしれない。




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