スパークリング・ハニー


山だから、こういうのよく出るんだよなー、なんて言いながら慣れた様子で、ヤモリを捕まえている。

ほんとうに全然平気みたい。




「でも、ヤモリってよく見るとかわいいんだよ」

「えええ……」




ぜったい嘘だ、なんて構えてしまう。



怖がる私に無理に近づけようとはしない。

程よい距離を保ったまま、篠宮くんは手のひらにのせたいきものを見せてくれる。



柔らかそうな灰色の、思っていたより小さいそれ。

きゅるきゅるっとしたつぶらな瞳は、たしかに言われてみれば、かわいい……かもしれない。



でも、やっぱり怖い……!


拭えない恐怖心に、ふるふると首を横に振ると、ははって笑った篠宮くんがそのいきものを窓から外に逃してあげていた。



「ありがとう、助かりました……」

「これくらい、大したことじゃないよ」




ふう、と息をついて落ち着きを取り戻したところで我に返る。


あわわ、こんなことをしている場合じゃなかった。そろそろ夕食の時間なのに。



今度こそしっかり鍋を移動させて、食器を取り出したりして。

なんて慌ただしくしているうしろで、ごくごくと喉を鳴らす音。




「……?」




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