スパークリング・ハニー


音がする方を振り向けば、何かを飲んでいる篠宮くんとばっちり目が合った。


合ってしまったそれを今更逸らすのは不自然で、少しの間固まっていると。




「瑞沢も、飲む?」

「……えっ」




私、そんなに物欲しそうに見ていただろうか。

自然に差し出されたペットボトルを、なぜかそのまま受け取ってしまう。




「レモンジュース。ちょっとはちみつも入ってて、美味いよ。練習終わりに飲むと生き返る」




飲んでみ、って促されるままに口をつける。


喉を流れていく液体は冷たくて、爽やかで甘くて、たしかにとても美味しかった。

疲れた体に染み渡る味だ……なんてそこまで考えて。



ま、待って。
今のって。




「……っ!」





篠宮くんが口をつけたペットボトルをそのまま口に────か、間接キス。



気づいてしまったら急に恥ずかしくなってくる。


ぶわっと頬に熱が集まる。
だめだ、もう、暑い。




「あ、俺そろそろみんなのとこ戻るわ」




篠宮くんはやっぱり顔色ひとつ変えずにキッチンを出て行ってしまって。


その背中を見送ったあと、力が抜けたようにへなへなとその場にしゃがみ込んだ。





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