スパークリング・ハニー
〖SIDE 朝陽〗
合宿、1日目。
夕食のあとは風呂に入って、それからすぐに就寝だ。
就寝、といっても修学旅行のように綺麗な部屋が用意されているわけではない。
広い畳の一室に布団を敷きつめて、雑魚寝だ。
もちろん、女子は別部屋だけれど。
「なーなー、俺、気づいちゃったんだけどさー」
ハードな運動量、疲れのあまり泥のように眠る……なんてことは、なく。
男子高校生、これきしのことでへたることはない。まだまだ体力がありあまっている。
部員みんなで泊まり、なんて合宿でしか経験できないから、夜は話が弾んでけっこう盛り上がるものだ。
「瑞沢ちゃん、けっこーよくない?」
「……は?」
思わず、低い声が漏れた。
それは誰の耳にも届いていなかったようで、そのまま場は盛り上がる。
「あー!それ、俺も思った!」
「だよな。瑞沢ちゃんのこと、そーゆー目で見たことなかったけどさー。近くで見るとちっちゃくて案外かわいーし、何より優しいし」
「あと女子力高いっすよね。料理の手際も良かったし、美味かったし、洗濯もそうだし……家事全般ソツなくこなせそうっす」
たしかに、ほぼ瑞沢一人で調理したというカレーはすごく美味しかった。
料理が得意なんだとは知らなかったし、明日以降の食事も楽しみだ、ってそこは全面的に同意なんだけど。