スパークリング・ハニー
ああ、でも。
瑞沢がうちのマネじゃなくてよかったな、なんて思ってしまう。
瑞沢がタオルを渡してくれたり、いろいろ、働いてくれるのは純粋に嬉しいけれど、毎日こうだと身がもたない気がする。
それに、部員のこういう会話をしょっちゅう聞くことになるだろうと考えると、そんなの普通に無理だろって思う。
────そんなこと言えないけれど。
だって、言う資格がないから。
部員のみんなが、あれこれ追求したそうな様子でそわそわしていたけれど、瞼をぎゅっと固く閉じて寝たフリを決めこんだ。
しばらくすると、諦めたように別の話題で盛り上がり始めた、けれど。
「朝陽、起きてるだろ」
放っておいてくれない男が約1名。
副キャプテン、同級生の梶田凑人。
無視してふて寝を続けるも、それであっさり諦めてくれるほど生優しくない。
それは、昔からよく知っていることだった。
湊人とは中学のときから同じチームでサッカーをしているのだから。
「みんなは驚いてたけどさー、朝陽はもともと光莉ちゃんのことばかり見てたよなー」
にやり、口角をあげてわかったような口を利く。
「……」
「まあ、わかるけどね。光莉ちゃんって、真っすぐだし健気だし、ついつい守ってあげたくなるというか、手を出したくなるというか」