スパークリング・ハニー
「あ、ありがとう……」
「や、こっちこそ変なもん見せてごめん」
「変な、って」
普段男ばっかだし小森も立木も慣れてるから気遣い足りなくなってんだよなー、ってまるでみんなの保護者みたいに言うから、思わずちいさく笑う。
「でも、瑞沢ももう慣れてきたよな」
「そうかな?」
「うん。みんなも言ってたよ、気が利くって」
「ええ……」
「マネ、向いてるんじゃない?」
「そうかなあ。……マネージャーしてみようかな」
何の気なしに口にして、ふと想像してみる。
サッカー部のマネージャーは各学年にひとりずつって決まりだもんね。
とすると、野球部、バスケ部、バレー部に水泳部……と指折り数えていると。
少し黙り込んでいた篠宮くんが、なぜかちょっと険しい顔で遮った。
「やっぱ、マネはだめ」
「え……っ」
思わず篠宮くんを二度見する。
私だって本気で今からマネージャーになろうと考えていたわけじゃないけれど、まさか、そんなにきっぱりとだめだって言われるなんて思わなかったから。
じわじわショックを受けていると、篠宮くんがはっと顔色を変える。
「……や、今のは、違う」
「……?」
「……瑞沢がやりたいと思うなら、マネージャー、いいと思う。向いてるよ」