スパークリング・ハニー
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眠る時間になって消灯しても、なかなか寝つけなかった。
いつもなら、目を閉じればすぐに眠気がやってきて、そのまますぐに寝落ちてしまうのに。
落ち着かなくて、そわそわする。
それはあまりいい心地ではなくて。
ぱっちりと目が冴えてしまったため、布団を抜け出して、少しあたりを散歩してくることに決めた。
間違っても誰かを起こしてしまうことがないように、そろそろと足音にを気をつけながら宿舎の廊下を歩いていると。
「篠宮くん……?」
廊下の向こう、ほんのりと明かりに照らされて見えた影。
思わずその名前を口にする。
「瑞沢……?」
私の声に驚いたように振り返った篠宮くん。
目を見開いた彼が、何かを持った手元を背中に隠すのを見てしまう。
「もしかして、眠れない?」
篠宮くんが心配そうに首を傾げた。
どうして、篠宮くんが私の心配をするんだろう。
私の方が、ずっと────。
「なんだか目が冴えちゃって、ちょっと散歩しようかなって」
「そっか」
「篠宮くんは?」
篠宮くんが背中に隠したものの正体を知っている。
ちらり、と白い角が隠しきれずに覗いていて、確信を持った。
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眠る時間になって消灯しても、なかなか寝つけなかった。
いつもなら、目を閉じればすぐに眠気がやってきて、そのまますぐに寝落ちてしまうのに。
落ち着かなくて、そわそわする。
それはあまりいい心地ではなくて。
ぱっちりと目が冴えてしまったため、布団を抜け出して、少しあたりを散歩してくることに決めた。
間違っても誰かを起こしてしまうことがないように、そろそろと足音にを気をつけながら宿舎の廊下を歩いていると。
「篠宮くん……?」
廊下の向こう、ほんのりと明かりに照らされて見えた影。
思わずその名前を口にする。
「瑞沢……?」
私の声に驚いたように振り返った篠宮くん。
目を見開いた彼が、何かを持った手元を背中に隠すのを見てしまう。
「もしかして、眠れない?」
篠宮くんが心配そうに首を傾げた。
どうして、篠宮くんが私の心配をするんだろう。
私の方が、ずっと────。
「なんだか目が冴えちゃって、ちょっと散歩しようかなって」
「そっか」
「篠宮くんは?」
篠宮くんが背中に隠したものの正体を知っている。
ちらり、と白い角が隠しきれずに覗いていて、確信を持った。